夢想家

夢の続き

祭り、エモさ

今日、最寄り駅からの帰り道で地元のお祭りを見た。小さな住宅街の、小さい神社の、小さいお祭りだ。まだそんなに遅くないのに、すっかり日が落ちた夏の終わりの暗い中で、ひしめいている屋台の光が輝いている様子を見て、ふと中学生の時のことを思い出している自分がいた。

毎年、この土日には僕の中学高校の学園祭をやっていた。結構真剣に取り組む学園祭で、中学の時は必ずクラス単位で何かを出していた。この日のために、毎年すごく準備をしていたし、本気で来場者を楽しませようとしていた。男子校ならではの一体感と、少しやりすぎなくらいの思い切りの良さをもって、最高の学園祭にしようとしていた。

そして、毎年この土日には、地元のお祭りがやっていた。だから、当時中学生だった僕は、夕方までクタクタになるまで学園祭で楽しませ、さらに楽しんだ後に、地元のお祭りに行く。僕の小学校は私立の中学に行く人が多くて、小学校の友達と会うことはほとんど無くなってしまっていた中で、時々会うのが地元や小学校のイベントだった。そして、その一つが夏の終わりのこのお祭りだった。

久しぶりに会う小学校の友達は、ほんの少しだけ背が高くなっていて、ちょっぴり声が低くなっていたりしたけれど、それでもやっぱり変わらない。そんな旧友に会うことができる大切なイベントだった。でもいつしか集まらなくなってしまい、もうこの歳になっていしまった。今日、久しぶりにお祭りに通りがかると、屋台の独特の光に照らされながら、楽しそうにはしゃいでいる中学生くらいの子供を目にした。それは、まがうことなく、ほんの数年前の自分たちだった。同時に、もうそんな風に、青春よりもなにかずっと幼く、それでいて小学生のように右も左もわからないわけでもない、中学生独特の無邪気さをもった笑顔をできないのかなと思った。時はどんどん流れて行って、未来から見たら何でもない当たり前が、たまらなく惜しくなるものであることを思い知った。

そうして、来年はすっかり疎遠になってしまった小学校の友達に連絡してみようと思った。みんなで、こんな時代もあったねと笑いあう、そんなかけがえのない時間をすごすために。