夢想家

夢の続き

平成最後の夏

今年は平成最後の夏だから。そんな謳い文句を今年はよく聞く。ついさっきも、『平成最後の夏の飲み』なるLINEグループができた。

まあ確かに今年は平成最後の夏になる。今上天皇が退位されるということで間違いない。それに夏という言葉をくっつけると、謎のエモさがある。「エモい」という言葉が相応しい表現なのかどうかはおいといて。それにあやかって、なにかと「平成最後の夏」として色んなイベントを企画したがっている。大学生だから余計にそれを感じる。

でも、誰でも気づいていることだが、平成が最後であることと夏のイベントはなんの関係もない。最高に関係がない。そもそも皆和暦なんか使ってないし。ただなんとなく「平成最後の夏」と聞くと、楽しまないと、大切に過ごさないと勿体無い気がする。「エモさ」の破壊力が窺い知れる。

でも、個人的には、やっぱり「平成最後の夏」は楽しむための言い訳のように聞こえる。これは予想だけど、多分「平成最後の冬のスキー」とか、「平成最後の春の花見」とか、「平成最後のGWの旅行」とか言い出す人がいっぱいいる。さらには、ちょうど一年経って、新元号になって「〇〇最初の夏」も使われるだろう。そう考えると、ただ楽しむために遊びを企画したいけど、ただ誘うのは恥ずかしいから「平成最後の夏だから」って言う、そんなところだろう。だったら、もう皆、楽しみたいから、とか、会いたいから、で遊ぼうよ。変にかっこつけないで。だって人生最後の2018年の夏だしね。